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OBSのシーンコレクションとプロファイルの違い、書き出しとバックアップ
OBSには、「シーンコレクション」と「プロファイル」という、似た名前の仕組みが2つあります。どちらも切り替えができ、書き出しもできますが、保存される中身が違います。違いを知らないまま作業すると、パソコンを替えたときに、必要な設定が引き継がれないことがあります。この記事では、2つの違い、書き出しと読み込みの手順、バックアップの取り方、注意点をまとめます。メニューの名前や保存場所は、OBSのバージョンやOSによって異なる場合があります。
シーンコレクションとプロファイルの違い
OBSの上のメニューには、「プロファイル」と「シーンコレクション」が、並んで置かれています。どちらも、複数を作って切り替えられる点は同じです。違いは、何を保存しているかです。
| 項目 | シーンコレクション | プロファイル |
|---|---|---|
| 主な中身 | シーン、ソース(画像、ブラウザ、キャプチャなど)、フィルタ、シーンの並び | 出力(ビットレート、エンコーダー、録画形式)、映像(解像度、fps)、音声の全般設定、配信先の情報 |
| たとえるなら | 画面の「中身」と「レイアウト」 | 配信の「やり方」と「画質の設定」 |
| 切り替える場面 | ゲームや番組ごとに、画面の構成を変えたいとき | 配信先や、パソコンの性能に合わせて、画質設定を変えたいとき |
| ホットキー | シーンやソースごとの割り当ては、こちらに入ることが多い | 配信開始・録画開始などの全般の割り当ては、こちらに入ることが多い |
ホットキーの保存先は、版によって扱いが違う場合があります。保存先を確かめたいときは、実際に別のプロファイル、別のシーンコレクションに切り替えて、割り当てが残っているかを見ると、確実です。
たとえば、同じパソコンで、昼は高画質のゲーム配信、夜は低めの設定の雑談配信をするなら、プロファイルを2つ作り、画質の設定を分けます。画面の構成は共通にしたいなら、シーンコレクションは1つのままで構いません。反対に、画質は同じで、ゲームごとに画面の構成を変えるなら、シーンコレクションを分けます。
切り替えは、2つを組み合わせられます。プロファイル3つとシーンコレクション3つがあれば、最大9通りの組み合わせが作れます。ただし、組み合わせが多いと、どれを使っているか分からなくなるので、名前の付け方を決めておくと安全です。
切り替えのタイミングにも、決まりがあります。シーンコレクションは、配信中でも切り替えられますが、画面の構成が一斉に入れ替わるため、視聴者に見える映像が大きく変わります。配信中にうっかり別のコレクションへ切り替えると、予定外の画面が映ってしまいます。プロファイルは、配信中や録画中は、切り替えが制限される版が多く、事前に選んでおく使い方になります。どちらも、配信を始める前に、いま使っているものの名前を確かめる習慣が、事故を防ぎます。
新しく作る・複製する・名前を変える
どちらも、メニューから、同じような操作で作れます。
- 上のメニューの「シーンコレクション」(または「プロファイル」)を開く
- 「新規」を選び、名前を付ける(空の状態から作る)
- 今の内容を引き継いで別の名前で残したいときは、「複製」を選ぶ
- 名前を直したいときは、「名前を変更」を選ぶ
- 一覧から選んで、切り替える
大きな変更を試すときは、複製してから変更するのが安全です。元のコレクションは触らずに残り、うまくいかなければ、元に戻せます。
名前は、あとで見て分かるものにします。たとえば、「ゲームA_横画面」「雑談」「テスト」のように、用途が分かる名前が向いています。日付を付けた複製(例:「配信用_1013」)を作っておくと、いつの状態かが分かります。
名前の付け方の例を、表にしておきます。自分なりの決まりを先に作っておくと、数が増えても迷いません。
| 種類 | 名前の例 | 考え方 |
|---|---|---|
| 本番用のシーンコレクション | 配信_ゲームA | 用途がひと目で分かる名前にする |
| 実験用のシーンコレクション | テスト_作業中 | 本番と混ざらないように、頭に「テスト」を付ける |
| バックアップ用の複製 | 配信_ゲームA_1013 | 末尾に日付を付けて、世代を区別する |
| 画質の違うプロファイル | 高画質_昼、軽め_夜 | 画質の方針が分かる言葉を入れる |
実験用のコレクションは、新しいソースやフィルタの動きを確かめるときに便利です。本番のコレクションを直接いじらず、実験用で確かめてから、本番に反映すると、本番の画面を壊す心配が減ります。
書き出しと読み込みの手順
シーンコレクションとプロファイルは、それぞれ別に、ファイルとして書き出せます。パソコンの引っ越しや、他の人との共有、バックアップに使えます。
- 「シーンコレクション」メニューの「エクスポート」を選ぶ(プロファイルの場合は、「プロファイル」メニューの「エクスポート」)
- 保存先とファイル名を決めて、保存する
- 引っ越し先のOBSで、同じメニューの「インポート」を選ぶ
- 書き出したファイルを選ぶ
- 一覧に追加されたことを確かめて、切り替える
シーンコレクションの書き出しファイルは、JSONという形式の、文字のファイルです。中身は人が読める文字ですが、手で書き換えると壊れやすいので、書き出したものは、読み込み専用の控えとして扱うのが安全です。
読み込んだときに、元のコレクションと同じ名前があると、名前が重ならないよう、末尾に番号が付く場合があります。読み込み後は、名前を確かめてから、使ってください。
書き出しだけでは持っていけないもの
書き出したシーンコレクションには、各ソースの「設定」は入っていますが、素材の「実体」までは入っていない場合があります。次の点に気をつけてください。
| 項目 | 書き出しファイルに入るもの | 引っ越し時の注意 |
|---|---|---|
| 画像・動画・音声ソース | ファイルの場所(パス) | 素材ファイル自体は、別にコピーが必要。引っ越し先で場所が違うと、映らない |
| ローカルファイルのブラウザソース | HTMLファイルの場所(パス) | HTMLとその周辺ファイルを、同じ相対位置で運ぶ |
| URLのブラウザソース | URLの文字 | URLにアクセスできれば動く。ネットにつながっていることが条件 |
| キャプチャのソース | デバイスやウィンドウの指定 | デバイス名やウィンドウ名が違うと、選び直しになる |
| フォント | フォント名 | 引っ越し先に、同じフォントが入っているか確認する |
| プラグイン | そのソース・フィルタの設定 | プラグイン自体の再インストールが必要。入っていないと、そのソースが使えない |
素材のパスは、引っ越しで最も事故になりやすい点です。素材をOBSの外の、決まったフォルダ(例:ドキュメント内の専用フォルダ)にまとめておくと、フォルダごとコピーして、同じ場所に置けば、元どおりに映ります。OBSには、見つからない素材ファイルを一覧にして知らせる機能(欠落ファイルの確認)が、メニューに用意されている版もあります。使える機能は版によって違うため、メニューで確かめてください。
ブラウザソースが保存している値(カウンターの数など)は、ページを動かしている、OBS内部のブラウザの領域に保存されることがあります。この値は、シーンコレクションの書き出しには、含まれない場合があります。値の扱いについては、obs-saved-valuesの記事で説明しています。引っ越しの前に、保存値をどう運ぶかを、そちらで確認してください。
プロファイルを共有するときの注意
プロファイルには、配信先の情報が含まれる場合があります。その中には、配信のための鍵(ストリームキー)が入っていることがあります。ストリームキーは、あなたのチャンネルに配信する権限を示す文字列で、他人に知られると、勝手に配信される危険があります。
プロファイルを書き出して、他の人に渡す場合は、渡す前に、ファイルの中の鍵が含まれていないかを確認します。確認が難しいときは、プロファイルは渡さず、設定内容を、画面の写真や文章で伝えるほうが安全です。バックアップとして自分用に残すだけの場合も、ファイルは、人に見られない場所に置いてください。クラウドの共有フォルダに置くなら、共有の範囲に注意します。
もしストリームキーを漏らした可能性があるなら、配信先のサービスで、キーを再発行(作り直し)できる場合があります。手順は、サービスの公式の案内を見てください。
バックアップの取り方
書き出し(エクスポート)は、手軽なバックアップです。もう1つの方法は、OBSが設定を置いているフォルダを、そのままコピーすることです。場所は、OSで違います。次の場所が、一般的です。
| OS | 設定フォルダの例 |
|---|---|
| Windows | %APPDATA%\obs-studio (エクスプローラーのアドレス欄に貼ると開ける) |
| Mac | ~/Library/Application Support/obs-studio |
| Linux | ~/.config/obs-studio |
この中の「basic」フォルダの下に、「scenes」(シーンコレクション)と「profiles」(プロファイル)が入っています。シーンコレクションは、ひとつにつき1つのJSONファイルで、同じ名前の古い版(拡張子が.bakのもの)が一緒に置かれることがあります。.bakは、直前の保存の控えとして、OBSが自動で作る場合があります。
- OBSを終了する(動いている間にコピーすると、保存途中のファイルを写す可能性がある)
- 上の表のobs-studioフォルダを開く
- フォルダごと、別の場所(外付けドライブなど)にコピーする
- コピーした日付を、フォルダ名に付けておく(例:obs-studio_1013)
- 元に戻すときは、OBSを終了して、コピーしたフォルダを、元の場所に上書きで戻す
フォルダ全体には、ログや一時ファイルも含まれます。容量が気になる場合は、basicフォルダだけをコピーする方法もあります。ただし、プラグインの設定などは、別の場所にあることがあります。完全に戻したいなら、フォルダごとのコピーが安心です。
バックアップを続ける習慣と、確認方法
バックアップは、取っただけでは足りず、戻せることを確かめて、初めて意味があります。次の点を、時々確認してください。
- 書き出したファイルを、別のOBS(または別のコレクション名)で、読み込めるか
- 素材のパスが、バックアップから戻したあとも、有効か
- バックアップが、パソコン本体と、同じドライブだけに置かれていないか(故障に備え、別の場所にも置く)
- 古い版と新しい版の、どちらが最新か分かる名前になっているか
取るタイミングは、大きな変更の前と後が、効果的です。新しいシーンを大量に作る前、プラグインを入れる前、OBSのバージョンを上げる前などです。OBSの更新後に、設定が読めなくなる場合や、動作が変わる場合があるため、更新前のバックアップは特に役立ちます。
よくある失敗も挙げておきます。素材のパスが変わって、画面が空になる。引っ越し先に、プラグインが入っておらず、ソースが灰色になる。ストリームキーの入ったプロファイルを、そのまま共有してしまう。バックアップを、一度も読み込みで確認していない。この4つは、上の確認を続けるだけで、ほとんど避けられます。
シーンの作り方そのものの考え方は、obs-scene-designの記事にまとめています。作り方に一貫したルールがあると、バックアップから戻したときにも、迷わず使えます。
設定が壊れたときの戻し方も、知っておくと役立ちます。シーンコレクションのファイルが壊れて、OBSが読み込めなくなった場合は、同じ場所にある、拡張子が.bakのファイルが、直前の状態の控えになっていることがあります。OBSを終了してから、壊れたファイルを別の場所に避け、.bakのファイルの名前から.bakを外すと、前の状態で読み込める場合があります。必ず、操作の前に、両方のファイルをコピーして残してください。控えがあるかどうかは、版や状況によります。
OBSは、シーンの変更を、操作のたびに自動で保存します。そのため、「保存」を押す操作はありません。逆に言うと、間違えた変更も、そのまま保存されます。元に戻すボタンは、限られた操作にしかないので、大きな変更の前に複製を作っておく習慣が、いちばん確実な備えになります。
引っ越しの当日は、次の順番で進めると、抜けが出にくくなります。まず、新しいパソコンにOBSを入れ、元のパソコンと同じ版にそろえる。次に、プラグインと、フォントを入れる。そのあと、素材フォルダを同じ場所にコピーし、最後に、シーンコレクションとプロファイルを読み込みます。読み込んだあとは、ソースを1つずつ開いて、映っているか、音が出ているかを確認します。キャプチャ系のソースだけは、選び直しが必要になることが多いので、特に念入りに見てください。