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OBSの録画形式、MKVとMP4の違いと、録画後の変換のしかた

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OBSで録画を始める前に、どの形式で保存するかを決める画面があります。MKVとMP4のどちらにするかは、「途中で止まったときに、映像が残るか」と「編集ソフトで読めるか」の2点で決まります。この記事では、形式ごとの性質、設定の場所、録画後の変換(リマックス)の手順、容量の見積もり方を、順番にまとめます。OBSのバージョンによって、選べる形式や項目の名前が少し違うことがあります。

録画形式とは何か

録画した映像と音声は、1つのファイルにまとめて保存されます。このファイルの「入れ物」の種類が、録画形式(コンテナ形式)です。入れ物の中に入る映像と音声の圧縮方式(エンコーダー)は、別の設定で決まります。同じエンコーダーで録画しても、入れ物が違えば、拡張子(.mkv、.mp4など)と、ファイルの壊れ方や読み込める編集ソフトが変わります。

つまり、画質を決めるのは主にビットレートとエンコーダーの設定で、録画形式は、画質ではなく、保存の安全性や使い回しやすさに関わる設定です。ここを混同すると、「MP4にしたのに画質が上がらない」「MKVにしたら画質が落ちた」といった誤解が生まれます。入れ物を変えるだけでは、画質は変わりません。

設定の場所と、選べる形式

OBSの「設定」を開き、「出力」の画面にある「録画」の欄で、録画形式を選びます。「出力モード」が「シンプル」のときも「詳細」のときも、録画の欄に「録画フォーマット」という項目があります。

  1. OBSの右下の「設定」を押す
  2. 左の一覧から「出力」を選ぶ
  3. 「録画」の欄で、「録画ファイルのパス」(保存先のフォルダ)を確かめる
  4. 「録画フォーマット」の一覧から、形式を選ぶ
  5. 「OK」または「適用」を押す

一覧に出る形式は、バージョンによって増減します。よく見かけるものを、次の表にまとめます。表の内容は一般的な性質で、細かい挙動は版によって違う場合があるため、迷うときはOBSの公式ドキュメントも見てください。

形式拡張子途中で止まったとき編集ソフトでの読み込み
Matroska.mkvそれまでの分が残りやすい非対応のソフトがある。変換すれば読める
MP4.mp4正常に終わらないと、再生できなくなることがある広く読める
分割MP4(フラグメントMP4).mp4MP4より残りやすい設計。対応状況は版によるMP4に近いが、ソフトによって差がある
MOV.movMP4と近い性質映像編集ソフトで読めることが多い
MPEG-TS.ts残りやすい読めるソフトは限られる

「ハイブリッドMP4」のように、新しい版で追加された形式もあります。名前が一覧にあるかどうかは、お使いのバージョンで確かめてください。

設定の画面には、形式のほかにも、録画で使う項目がいくつかあります。「ファイル名の書式」は、保存されるファイル名の付け方で、初めは日付と時刻(年-月-日 時-分-秒)の形になっています。この形なら、同じ名前で上書きされる心配がなく、あとから並べ替えもしやすくなります。「録画の一時停止」は、録画中に、画面上のボタンやホットキーで、いったん止めて再開できる機能で、止めている間は、ファイルが分かれず、1本にまとまります。ただし、この機能は、対応していない形式やエンコーダーの組み合わせがあり、使えるかどうかは版と設定によります。

さらに、「詳細」モードでは、「録画ファイルを分割する」設定を使って、決めた時間や容量で、ファイルを自動で区切れます。長時間の録画で、1本のファイルが巨大になるのを避けたいときや、一部が壊れても被害を小さくしたいときに向いています。区切られたファイルは、編集ソフトで、つなぎ直して使います。

MKVが勧められる理由と、弱い点

OBSの標準的な案内では、録画にはMKVが勧められてきました。理由は、録画中にOBSが落ちたり、パソコンが固まったり、電源が切れたりしたときの、ファイルの扱いにあります。

MP4は、ファイルの終わりに、全体の目次にあたる情報(インデックス)を書き込んで完成します。録画の途中で止まると、この情報が書かれないため、そこまで撮れていたはずの映像も、再生できない状態になることがあります。MKVは、映像と音声を、細かい単位で順に書き足していく作りなので、途中で止まっても、それまでの部分が読める場合が多くなります。

一方、MKVの弱い点は、編集ソフトや一部の再生機器で読めないことがある点です。特に、映像編集ソフトの中には、MKVを取り込めないものがあります。また、SNSや動画サイトへの投稿は、多くがMP4を前提にしています。そのため、MKVで録画して、あとでMP4に変換する流れが、よく使われます。

「途中で止まったときに残りやすい」というのは、必ず残るという意味ではありません。ディスクへの書き込みが追いついていなかった末尾の数秒は、失われることがあります。書き込み先のドライブが外れたり、容量が尽きたりした場合も、同じです。

録画後に変換する(リマックス)手順

MKVで撮ったファイルをMP4にするには、OBSの「録画の再多重化」(一般には「リマックス」と呼ばれます)という機能を使います。再多重化は、映像と音声を作り直さずに、入れ物だけを入れ替える処理です。そのため、短い時間で終わり、画質も変わりません。再エンコードをする変換ソフトとは、性質が違います。

  1. OBSの上のメニューから「ファイル」を開く
  2. 「録画の再多重化」(英語表示ではRemux Recordings)を選ぶ
  3. 「OBS 録画」の欄にMKVファイルをドラッグして入れる(空の欄を選んで、ファイルを探して選ぶこともできる)
  4. 「対象ファイル」の名前(拡張子が.mp4になる)を確かめる
  5. 「再多重化」を押して、進み具合が終わるのを待つ

元のMKVファイルは、リマックスしても消えません。できあがったMP4を再生して、最後まで問題なく見られることを確かめてから、不要なほうを消すと安全です。

毎回この操作をするのが面倒な場合は、録画が終わった時点で、自動でMP4に再多重化する設定があります。「設定」の「詳細設定」の録画の欄に、「自動的に mp4 に再多重化する」というチェックがあります。項目の位置や名前は版によって違うことがあります。自動リマックスをオンにしても、元のMKVを残すかどうかは、版によって動きが違う場合があるため、一度試して、保存先のフォルダを確かめてください。

リマックスでできないことも、先に押さえておきます。

リマックスは、入れ物を入れ替えるだけなので、次のことはできません。

容量を小さくしたいときは、別の変換ソフトで再エンコードします。その場合は、画質が少し落ちる代わりに、容量が減ります。どのくらい減らせるかは、元のビットレートと、変換先の設定によります。

途中で止まったファイルの扱い

録画が突然止まったあとの、ファイルの扱いを、形式ごとに整理します。

MKVで録画していた場合は、まず、保存先のフォルダにあるファイルを、そのまま再生してみます。再生できれば、リマックスでMP4にします。再生ソフトでシークバー(再生位置のバー)が動かないことがありますが、これは、全体の長さの情報が書かれていないためで、リマックスすると直ることが多い現象です。

MP4で録画していた場合は、再生できないことがあります。この場合は、修復を試せる専用ソフトもありますが、確実に直る保証はありません。同じ設定で撮った、正常な短いファイルを用意して、それを手がかりに修復するソフトもあります。ただし、そのソフトの仕様は、ここでは扱いません。確実さを重視するなら、普段の録画はMKVか、途中停止に強い形式にして、あとで変換するのが、安全です。

OBS自身が異常終了した場合、次に起動したとき、「OBSが正常に終了しませんでした」という趣旨のメッセージが出ることがあります。これはシーンの設定などの復旧に関する案内で、録画ファイルの修復とは別の話です。

容量の見積もりと、保存先の決め方

録画ファイルの容量は、おおまかに、「映像のビットレート」と「録画時間」で決まります。ビットレートの単位は、1秒あたりのビット数(kbpsやMbps)ですが、ファイルの大きさは、バイト(8ビットで1バイト)で表されるため、8で割ります。

映像のビットレート1秒あたり1時間あたり(目安)
6,000 kbps(6 Mbps)約0.75 MB約2.7 GB
12,000 kbps(12 Mbps)約1.5 MB約5.4 GB
20,000 kbps(20 Mbps)約2.5 MB約9 GB
50,000 kbps(50 Mbps)約6.25 MB約22.5 GB

この表は、音声の分(128〜320 kbpsほど)を含めない、計算上の目安です。実際のファイルは、これに音声と管理情報が加わります。ビットレートを固定にしない設定(品質固定など)では、映像の動きの大きさで、容量が変わります。

保存先は、容量に余裕のあるドライブにします。システムが入っているドライブがいっぱいになると、パソコン全体の動作に響くため、別のドライブがあれば、そちらを選びます。外付けドライブを使う場合は、接続が不安定だと書き込みが途切れることがあるため、配信や長時間の録画の前に、接続を確かめます。

音声のトラックについても触れておきます。「詳細」モードでは、録画に使う音声トラックを、1から6までの中から、複数選べます。たとえば、トラック1にはすべての音を、トラック2にはマイクだけを入れておくと、あとの編集で、マイクの音量だけを直したり、ゲーム音を外したりできます。使うトラックを増やすと、その分だけ音声のデータが増えますが、映像に比べれば小さな増え方です。トラックごとに何を入れるかは、「音声の詳細プロパティ」で、ソースごとに決めます。配信側のトラックと、録画側のトラックの番号が、別々に指定される点にも注意してください。

形式の変更は、次の録画から有効になります。録画の最中に設定を変えても、その録画の形式は変わりません。録画を始める前に、設定を見直す習慣を付けておくと、「思った形式で保存されていなかった」という失敗を減らせます。

よくある失敗と確認方法

起きること考えられる原因確認・対処
録画したのに、編集ソフトに入らないMKVを読めないソフトを使っているリマックスでMP4にしてから取り込む
MP4が再生できない録画が正常に終了せず、目次が書かれなかった普段はMKVで録画する。すでに失ったファイルは、専用の修復ソフトを試す余地がある
録画が途中で止まっている保存先の容量が尽きた、または、ドライブが外れた空き容量を確認する。長時間録画の前に、容量の見積もりをする
音声が片方のトラックにしか入っていない録画の音声トラックの設定「詳細」モードの録画の欄で、使うトラックにチェックが入っているか確かめる
リマックスの後に、トラックが減った形式側が対応していない構成リマックス後のファイルを再生して、全トラックがあるか確認する

録画を始める前に、短い録画(10秒ほど)を1回撮って、再生と、編集ソフトへの取り込みまでを、確認しておくと安心です。本番の録画で初めて気づく失敗を、先に見つけられます。

形式を選ぶときの考え方は、次の順番がおすすめです。

  1. 録画を失うことが、いちばん困るなら、MKV(または途中停止に強い形式)で撮る
  2. 撮ったあとに、編集ソフトで使うなら、リマックスの手間を、作業の流れに入れる
  3. 編集せず、そのまま投稿するなら、MP4でも足りるが、毎回の録画後に再生確認をする
  4. 容量が足りないなら、形式ではなく、ビットレートや解像度を見直す

配信と同時に録画する場合、録画のビットレートは配信用とは別に決められます(「詳細」モードで、録画用のエンコーダー設定を分けた場合)。ビットレートと解像度の考え方は、関連記事にまとめています。形式は入れ物の話、画質は中身の話、と切り分けておくと、設定で迷いにくくなります。

最後に、実際の運用でのおすすめの流れを書いておきます。録画前に、保存先の空き容量を見る。短いテスト録画を撮り、再生と取り込みを確かめる。本番はMKVで録画する。終わったら、リマックスでMP4を作り、再生確認をしてから、必要に応じて元のMKVを整理する。この流れなら、途中停止に強く、編集や投稿にも困りません。保存先のフォルダは、日付ごとに分けておくと、あとで探しやすくなります。

この記事のOBSの説明は、OBSの一般的な仕様と、このサイトのツールのプログラムの内容にもとづいています。すべての環境で、実機を使って確かめたものではありません。表示や動きが違うときは、お問い合わせからお知らせください。

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